第13章 空島へ行くには
「…ルフィが海に落ちた‼︎」
『…⁉︎』
「えっ⁉︎」
「なんだって⁉︎」
まさかの事態にユナが駆け出そうとするが、サンジに腕を掴まれそれは叶わなかった。
「待ってユナちゃん、キミが行っても溺れるだけだ…おいウソップ、ルフィを拾っとけ!…オレはこっちの相手をする」
「よし来た!」
ルフィが溺れたのと入れ替わるように海から出て来た男を警戒しながらサンジは指示を出す。ご指名を受けたウソップは一目散にルフィが溺れた海へと飛び込んだ。
海から現れた男は頭に栗を乗せた独特のヘアスタイルで明らかに敵意を剥き出しに此方を睨んでいた。
「てめェら誰だ‼︎」
栗男の質問には答えずサンジはナミとユナを庇うように前へ出る。
「…ナミさんとユナちゃんは下がってて」
『待ってサンジ、私も戦えるわ』
「大丈夫、ユナちゃんの手を煩わせる程じゃないよ」
ネ?と笑顔で言われてユナは渋々引き下がる事にした。栗男の背後ではウソップがルフィを引き上げているのが目に入った、とりあえずルフィの無事を確認してユナは胸を撫で下ろす。
「人の家で勝手におくつろぎとはいい度胸、ここらの海はおれのナワバリだ…狙いは”金”だな、死ぬがいい」
「うわっ‼︎」
こちらの話は一切聞く耳持たないらしい。栗男はサンジに蹴りをお見舞いするが、サンジはそれを紙一重で避ける。
続け様に来た蹴りも屈んで避けるが次いで目の前に栗男の拳が迫って来た──が何とかそれも足で食い止めた。
幾度と無く攻撃を防がれた栗男だったが表情を変える事なく腰に下げていた銃に手を伸ばすと、至近距離でサンジに向かって発砲した。
「うわあっ‼︎」
『…‼︎』
「サンジ〜〜‼︎あああああ」
「サンジ君っ‼︎」
「ご心配なくっ、当たってねェよ‼︎──だが、ちょっと待てェ‼︎」
間一髪で銃弾を避けたサンジだったがその後間髪入れずに、銃を乱射して来る栗男にサンジは避けるので精一杯だった。