第25章 過去からのメッセージ
そんな二人が去った後、クスクスと笑うかの様に草木が揺れた。
"──あの子にはあれくらい強引な人の方が丁度いいね"
"そうだね、あの子はかなり意地っ張りだから"
"そう言えば彼にも僕等の声が聞こえてたのかな?"
"どうだろうね…もしかしたら偶然かもしれないけど"
"どっちでもいいじゃないか、あの子が独りにならないのならそれでいいさ"
"…それもそうだね"
誰にも聞こえる事のないアネモス達の囁きは、森にとけて消えていく。
風が凪ぎ──ルフィ達も居なくなった森には、静けさだけが残されたのだった──。