第13章 空島へ行くには
同類だからだろうか、いつの間にかルフィがマシラ達と打ち解けて話をしていればクリケットが目を覚ました。
「…迷惑かけたな、おめェらをいつもの”金塊狙い”のアホ共だと思った」
開口一番、謝罪と共に聞いた金塊という言葉にナミの目が直ぐさまお金に変わる。
「え⁉︎金塊をお持ちなの⁉︎」
「狙うな狙うな」
お金には目が無いナミにウソップが突っ込んでいれば、ルフィがクリケットに空島の行き方を教えてくれと割って入って来た。
「空島?ウワッハッハッハッハッハ‼︎お前ら空島を信じてるのか⁉︎」
空島と聞くや否や豪快に笑い出したクリケットにさっきまで目をお金にしていたナミは拳を振り上げ鬼の形相に変わっていた。そう言えば情報収集の時に自分達もそうだったが笑われたと言ってたっけ…ウソップがナミを抑えていなければ今頃確実にクリケットは殴られているだろう。
「空島はねェのか⁉︎」
笑うクリケットを気にも止めずルフィがクリケットに詰め寄る、するとクリケットは煙草に火を付け一服するとルフィに向き直った。
「…お前ら、うそつきノーランドって知ってるか?」
クリケットの問いにユナは先程の”嘘つきノーランド”の絵本を思い出した。クリケットの話によるとノーランドは実在したらしく、しかも彼は稀に見る”正直者”だったらしい。そしてその末裔が自分だとクリケットは話す。
そこまで話すとクリケットはナミに一冊の古びた航海日誌を手渡す…実に400年前のノーランド本人の日誌だった。紙が傷んでいる貴重な日誌にナミは慎重にページをめくっていく。
日誌には空島自体については書かれていなかったが空島に限る産物についてが書かれており、最後にはいつか”空の海”へも行ってみたいと書き括られていた。
「”空の海”だって…」
『ホントに空に島があるのね…』
「ロビンが言ってた通りだ‼︎」
「やっぱりあるんだ‼︎」
「やった〜〜〜‼︎」
空島があるんだと分かると一味のテンションは一気に上がる。そうとなれば早いもので家の外に出ると、早速クリケットが空島への行き方を説明し始めた。