第13章 空島へ行くには
暫く船を走らせていると一軒の家が見えて来た。
「すっげェ…」
『ホント…この島にはミスマッチね』
「スッゲー金持ちなんじゃねェのか⁉︎」
家を見るなりルフィとユナ、ウソップが声を上げた、そこに見えたのはちょっと小さいがお城を思わす外見の立派な家が建っていたのだ…周りには何もない殺風景の島には違和感しかなかった。
「バーカよく見ろよ」
「夢見る男ねぇ…少なくとも”見栄っ張り”ではある様だな」
「?、なにが?」
ゾロとサンジの言葉にチョッパーが首を傾げる、ルフィも意味が分からないまま島へと上陸すれば驚愕の声を上げる。
「げ‼︎、ただの板⁉︎」
「なにーーっ⁉︎」
『わぁお』
そう、本当の家は”半分”だけ…後はベニヤ造りの張りぼてだった。家が綺麗に半分だけ無いのも気になるが、とりあえずはこの家の主であろう”モンブラン・クリケット”に会わなければ話は進まない。
ルフィが躊躇いなく家に踏み入ったが生憎と家主は留守の様で、一味はそれぞれ辺りを探索する。
その中でナミが何かを見つけて声を上げた。
「絵本…ずいぶん年期の入った本ね、”ウソつきノーランド”だって、あはは」
「ほー、イカすタイトルだな題材がいいぜ」
ナミとウソップの会話を聞いてサンジが「懐かしいなァ」と声を漏らした。ウソつきノーランドはサンジが子供頃によく読んでいた絵本らしく、その絵本の主人公ノーランドは実在したとの噂だった。
──昔々の物語り、探検家のノーランドはいつもウソのような大冒険の話をしていたらしい。
ある日、王様はノーランドの「ある島で黄金をみました」と言う報告を信じてその島に向かうが大冒険の末、行き着いた先は何も無いジャングルだった。
その後ノーランドは嘘つきの罪で死刑になりました、最後の時までノーランドは黄金は確かにあったと嘘をつく事をやめなかったのです──
『…誰も信じないなんて悲しいお話ね』
途中から話を聞いていたユナが口を挟む。
「そうね…可哀想なウソップ…」
「オイ、ちょっと待てェ‼︎なんでオレなんだよ⁉︎ノーランドの話だったろォ⁉︎」
「ウソップも似たようなもん──なに?」
「何だァ?」
ナミとウソップが言い合っていたその時、バシャンと何かが水に落ちる音がした。何かと思い振り向けば次いでチョッパーの焦った声が耳に届いた。
