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巡り逢わせ【ONE PIECE】

第12章 失われた言葉


「まだ話は終わってないわよ」
『お兄さん私達とお話ししたいんでしょ?』

口は笑っているが目が笑っていない二人に迫られ男は最早恐怖に震えるしかなかった。こうなれば早いもので、男は質問した事にペラペラと答えてくれる。


「…大体分かったわ、ありがと」
「い、いえこのくらいどーって事無いですよ…ハハハ……じゃ、あっしはこの辺で失礼しても宜しいでしょうか?」

あくまでこちらの機嫌を損なわぬ様に男が低姿勢で問えば、ロビンはそうねと答えた。それを聞いた男はやっと解放されると安堵の息をつく。

「では、失礼しやす…」

男が立ち上がり出口に向かう。

『あ、待ってお兄さん』

呼ばれて振り向けば栗色の髪の少女が目の前までやって来た。


『色々教えてくれたお・れ・い』
「へ───っ⁉︎」


何が起こったのか分からなかった、一瞬浮遊感を感じたと思ったらいきなり視界がグルグルと回り、次の瞬間には背中に強い衝撃を受け男の意識はそこで途切れた。


「あら、酷い人ね」
『ロビンには負けるけどね』

男に小さな風の渦をぶつけて店の外まで吹き飛ばしたユナはお互い様だろうとしれっと言ってのける。

『ごめんなさいマスター…扉を壊してしまって…』

扉ごと男を吹き飛ばした為、綺麗に店の扉は無くなっていた。

「あァいいさ、あいつらには日頃からうんざりしてたんだ…お嬢さん達のお陰でスッキリしたよ、ありがとう」

それなら良かったとユナ達はマスターに見送られながら酒場を後にした。



情報も手に入れた事だしそろそろ船に戻ろうかと二人は来た道を戻る、帰り道も相変わらず町中は騒がしかった。


『ロビンって結構あーゆうのに慣れてるのね』


先程の酒場での事を思い出しユナはロビンに問い掛ける、大勢の敵に囲まれても一切動揺せず冷静に対処するにはそれなりに場数を踏まないとダメだろう。

「まぁ…そういう生活を余儀無くされていたから自然と身についたのよ」

今物凄くロビンのブラックな過去を聞いた気がするが特に気にする事もなく『そうね生きていれば嫌でも慣れる事もあるわよね』なんてユナはどこか遠くを見て呟く。


「……ひとつ聞いても良いかしら?」

そんな様子を見たロビンが頬に手を添えながら何かを思案するかの様にユナを見る。


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