第11章 サルベージ
誰もがその光景に目を疑う中、唯一ルフィだけは臨戦態勢をとる。
「来るなら来いバケモノ!おれが相手になってやる‼︎」
「ヤメろルフィ‼︎あんなもんに勝てっこねェよ‼︎」
今にも飛び出して行きそうなルフィをウソップがなんとか押し止める。そうこうしている間に片方の人影が手に持つ武器を振り上げた。
「…っ‼︎とりあえず逃げんのよ‼︎ユナお願い‼︎」
『りょーかい!飛ばすから捕まってね!』
ナミにご指名を受けたユナはマストに向けてありったけの風をぶつける、帆に風を受けてメリー号は勢いよく前進すると数キロ先で停止した。先程の暗闇と巨人はもう遥か彼方だ。
「…な、何がどうなってんの…」
「おれ…死ぬかと思ったァ……」
「あいつら巨人族の数倍はあったぞ…」
信じられない出来事に各々言葉を零す中ユナはある疑問を口にした。
『何食べたらあそこまで大きくなるんだろ』
「おそらく…巨人族でも食べたんじゃないかしら…」
『だとしたら中々の肉食ね』
「…2人して何怖いこと言ってンだよ‼︎それが本当なら怖ェわ‼︎」
真顔で話すユナとロビンに突っ込まずにはいられないウソップはビシッと音が鳴る勢いで2人にツッコミを入れる。
『ウソップ冗談よじょーだん。ね、ロビン?』
「あら、わたしは本気だったのだけれど」
まさかのロビンの本気発言にウソップが再び「よけェ怖いわ!」と突っ込んだのは言うまでもない。