第11章 サルベージ
マシラ達はすぐさま作業に取り掛かる、舳先のサルがシンバルを広げて海へと下りて行く。それを見たルフィ、ウソップ、チョッパーが「かっちょエ〜‼︎」と声を揃えて目を輝かせており、その横ではどこがよとナミが冷ややかな目を向けていた。
やがて海底から大きな影が浮かんでくる、先程のガレオン船がオブジェのサルによって引き上げられているのだ。暫くその様子を見ていた一味だったが影が異様にでかい事に疑問を抱く。
「おいなんか…イヤな予感がするんだが…」
「やだウソップ変なこと言わないでよ!」
あきらかに先程のガレオン船より大きな影にナミとウソップが怯える中、何かを感じ取ったのかゾロとサンジが臨戦態勢に入る、ロビンは興味深そうに海中を覗きルフィとユナは特に構える事もなく手摺に手をかけ海中を覗く、チョパーに至ってはマストに半分隠れて事の成り行きを見守っていた。
もっとも頭隠して尻隠さずの言葉通りに頭は隠していたが身体がマストから飛び出ていた。
「っ来るぞ!」
ゾロの叫びと共に海中から現れた”モノ”に全員の目が釘付けになる。
「でっっけェ〜〜‼︎」
「……ウソでしょ…」
海中から現れたのは数十メートルはあるだろう”巨大な亀”だった、口からはマシラ達の船から伸びたロープが出ており、おそらく餌と間違えてガレオン船に食らいついて上がって来たのだろう。
『あんなもの食べてお腹大丈夫なのかしら』
「…そうだな多分壊すんじゃねェのか…って何のんきなこと言ってンだよ‼︎」
見た事もない巨大な亀が現れたと言うのに亀のお腹を心配するユナにウソップが突っ込んでいると、急に辺りが暗くなった。
「ん?なんだァもう夜か?」
「夜なわけないでしょ!…今度は何よ⁉︎」
「お、おい!アレを見ろ‼︎」
ナミが焦りの声を上げればウソップが空を指差し叫ぶ、全員の視線が指の先へと向けられる…そこで目にしたのは巨大な積乱雲に映る2人の”人影”、しかしただの人影ではなかった、その大きさは天にも届きそうなほど大きく手には武器を携えていた。