第11章 サルベージ
そうこうしている間にもルフィは落ちてきた残骸を探索しロビンは棺桶を見つけると中に入っていた頭蓋骨の復元を始めた。
それで分かった事がある、この人は死んでから200年は経っている事、つまり少なくとも200年は空を彷徨っていた事になる。そんな俄かには信じられない現実にナミが眉を寄せているとルフィが嬉々として声を上げた。
「やったぞ‼︎すげェもんみつけた…これを見ろ‼︎」
そう言って仲間に見えるように掲げたのは一枚の紙だった。
「”空島”の地図⁉︎」
「”スカイピア”…本当に空に島があるっていうの⁉︎」
だが地図だけではまだ空島があるとは断定出来ない、この世に偽の地図なんて腐る程あるのだから。何はともあれもっと情報が必要だとガレオン船を見れば船は既に海の底へと沈んでいた。
「よし、沈んだのなら”サルベージ”よ!」
ナミが意気込んで言うとチョッパーが”サルベージ”ってなんだ?と疑問の声を上げる。
「”サルベージ”は沈んでしまった船を引き上げる事ね、でもあの船は無理だわ大きすぎるもの」
ロビンが応えればチョッパーはそうなのかと納得した。
「でもよー、どーやってサルベージするんだ?」
ロビンの言う通りあの船はサルベージするには無理がある、ウソップが零したその時遠くの方から何やら声が聞こえてくる事に気が付いた。
サ〜ルベ〜ジ〜
サルべ〜ジ〜
「なんだァ?」
「なになに?」
何とも陽気な歌に一味の視線が集まる。
『サル…?』
「サルね」
「サルだな」
「おサルさんね」
そこに見えたのは舳先にシンバルを持った大きなサルのオブジェをつけた一艘の船だった。
「おい、お前らそこで何してる。ここはこのおれのナワバリだ」
大きなゴリラにも見えるサルが此方に気付くなり牽制してくる。
「ナワバリ?」
「そうとも…この”テリトリー(海域)”に沈んだ船は全ておれのものだ、てめェら手ェ出しちゃいねェだろうな……‼︎」
「どうやらあの人…サルベージするつもりらしいわよ…?」
物怖じすることなくロビンが冷静に分析すると、それを聞いたナミがこれはチャンスとばかりにそのサルに見学をして良いかと聞くと快く承諾してくれた。
なんでもあのサルはマシラと言うらしく、ココらの海域のサルベージ王らしい。