第10章 空からの落としもの
名はニコ・ロビン、考古学者で”ハナハナの実”を食べたとの事。ハナハナの実は好きな場所に身体の一部を花の様に咲かせられる能力らしい、そして得意な事は暗殺──。
「暗殺だとー⁉︎」
ウソップがやっぱり危険だとロビンから距離を取る。その様子を見ていたナミがだらしが無いわねーと口を挟む、自分はルフィとは違い簡単には認めないと威勢を張るがそれも束の間、ロビンが持って来ちゃったと言うクロコダイルの宝石でナミはコロリと態度を変えた。
「や〜ん、お姉さまと呼ばせてェ〜〜」
お金に目がないナミは猫なで声でロビンに擦り寄る。
「なにやってンだよ…」
ゾロが呆れて言えば今度はシャラランと効果音をバックにサンジがスマートに飲み物をロビンに出していた。その光景に最早呆れて物が言えない、ルフィとチョッパーに至っては後からウソップも巻き込んでロビンの能力に弄ばれている。
早くもロビンに気を許している仲間に自分だけは警戒を怠らないでいようと心に決めると、ふと少し離れたところにいるユナに気が付いた。
「なんだ…おめェは混ざンねェのか?」
気を許す仲間もどうかと思うが、その輪から一歩引いた所にいるユナに近付き素直に疑問に思った事を口にすれば意外な答えが返された。
『…ロビンは悪い人には思えないけど私、”考古学者”は苦手だわ』
考古学者が?とゾロは疑問に思うがユナはそれ以上話そうとはしなかった。
「どーゆう──…」
事だと聞こうとすればパラパラと何かが落ちてきている事に気が付いた。何だ──と思うのも束の間、「上だー‼︎」とウソップが叫ぶのを聞くと一味は一斉に空を見上げる。
「なっ…⁉︎」
「空から…」
「ガレオン船……⁉︎」
『……‼︎』
「何で…」
空からは船の残骸だろう木の板や折れたマストなどが降ってくる…そして──、メリー号の3倍はあろうガレオン船が目前に迫って来ていてた。