第10章 空からの落としもの
アラバスタでニコ・ロビンに一度も会っていないチョッパーは誰だ?と零し、女性大好きなサンジに至っては語尾にハートを付ける勢いでメロメロだ。
「あ!…何だお前じゃねェか‼︎生きてたのか」
ゾロ、ナミ、ウソップが警戒して武器を手に取るもルフィは平然としている。ユナも特に警戒する事もなく事の成り行きを見守っていた。
「…そういう物騒なもの私に向けないで」
「なっ⁉︎」
3人の手から”人の手”が生え武器が叩き落とされた、その光景を見たユナはカジノの地下で気絶させられたのはその能力かと一人納得した。
「あんた…いつから船にいたのよ!」
怯まずナミが問えば初めからよと返された、どうやら下の部屋で寛いでいたらしい。海軍との攻防の中のんびりしていたとはニコ・ロビンは中々肝が据わっている。
「用件はなんだ」
眼光鋭くニコ・ロビンを睨みつけたままゾロが口を開けばとんでもない返事が返って来た。
「…私を仲間に入れて」
「は⁉︎」
一味の戸惑う声が揃う中、サンジだけは目をハートにして喜んでいる。
なんでも死を望んでいたニコ・ロビンをルフィは助けたらしく、それが”罪”だとルフィに言う。
「私には行く当ても帰る場所もないの──だからこの船において」
「何だそうかそらしょうがねェな、いいぞ」
「ルフィ‼︎」
返事一つで了承するルフィに仲間が怒る、ついこないだまで敵だった人間をこうもあっさり仲間にするのは幾ら何でも危険過ぎる。
「心配すんなって‼︎こいつは悪い奴じゃねェから‼︎」
「そんな事信じられるか!おいユナもなんとか言ってやれ!」
『…私も悪い人には思えないわ、別にいいんじゃない?…よろしくねロビン』
「えぇ、こちらこそ」
ニッと笑うルフィにウソップがビシッと指をさしユナに同意を求めればあろう事かユナもルフィ派だった。
「おめェまでそんな事言うのかよ…⁉︎しかもなに和やかに握手してんだよ‼︎」
ウソップのキレのいいツッコミが入る。確かにこの前まで敵ではあったがロビンには帽子を拾って貰った恩がある、何より敵意は感じないので大丈夫だろうとユナは思う。
もう何を言ってもダメだと、何処からともなく取り出した机を並べるとウソップはロビンの取り調べを始めた。