第9章 また逢う日まで
こう言う事はよくあるのだろうか、ナミな呆れながら額に手を当てチョッパーはワタワタと走り回りビビは苦笑いしている。
そんな中、ゾロに怒られながらも悪びれた様子も無く謝るルフィの頭上に突然踵が落とされた。
「うげっ」
「…レディは丁寧に扱えって言っただろうがルフィ!…ユナちゃん大丈夫かい?」
『えぇ大丈夫、ありがと』
ルフィだけならまだしもユナちゃんが怪我をしたらどうするんだとサンジはルフィに注意をする。オマケだと、もう一発ルフィに踵落としをくらわすと下から潰れたカエルの様な呻き声が聞こえてきた。
全員の視線がルフィの下に集まる。
「…おいおめェら……いい加減どいてくれェ…」
見ればウソップが三人の下敷きになって潰れていた。
『わ、ごめんウソップ!』
「ウソップ大丈夫か!」
「…悪りィウソップ」
三人はすぐさま退けるとウソップを助け起こした…丁度その時、部屋のドアがノックされた。ビビが応えると夕飯の準備が出来たと伝えられた。
それを聞くや否やルフィは部屋を飛び出し一目散に行ってしまう、「ちょっと待てルフィ!」と、まだ下敷きにされた事を怒ってるウソップは後を追い、その光景に呆れながらゾロとサンジが、次いでナミとビビが部屋を出て行く。
最後に残ったチョッパーがクルリとユナの方を向くとテトテトと近寄って来た。
「ユナ、身体は大丈夫か?」
病み上がりのユナを心配して船医でもあるチョッパーが尋ねればユナは笑顔で答える。
『大丈夫、問題ないよチョッパー。気遣いありがとね』
ふわりと笑ってお礼を言えば「別にこれくらい普通だぞコノヤロォ」と、いかにも嬉しそうにしながらチョッパーもみんなの後を追って部屋を出て行く…その姿が可愛くて思わず笑みが溢れながらもユナも部屋を後にした。