第9章 また逢う日まで
笑顔で飛び降りたルフィに対して何の心構えも出来ていなかったユナは思わず間抜けな悲鳴を上げた。自分から飛び降りるのには慣れているが他人に抱えられて、しかもいきなり飛び降りるのには慣れていない…そもそも慣れる事の方が珍しいだろうが。
『ひやぁぁぁあァァ〜〜〜……』
「…なんだァ?」
ルフィ達の帰りを待っていたウソップは突然聞こえてきた悲鳴に首を傾げる、他の仲間達も同じで訝し気に声のする方に耳を傾けた。
「…なんか外から聞こえてこない?」
ナミの言葉に全員の視線が窓に向いたその時、物凄い勢いで何かが落ちて行くのが見えた。
「え、なに⁉︎」
落下して行ったものを確認する為ナミとウソップが窓に近付こうとするとゾロとサンジが声を上げた。
「おい、窓から離れろ!」
「ナミさん危ない!」
二人の声にナミとウソップが振り返れば、ガシッと窓枠を掴む人の手が現れた。
嫌な予感がする──そう思ったが時既に遅し、窓から物凄い勢いで何かが飛び込んで来たかと思うとウソップとゾロとを巻き込んでその物体は壁へと激突した。
ナミは間一髪でサンジによって激突を免れたが、窓の近くにいたウソップとその直線上にいたゾロが犠牲となったのだ。
「いてて……おいルフィ!てめェいい加減にしろよ!」
「にしし、悪りィ悪りィ」
『あー…ビックリした…』
窓から飛び込んで来たのは一味が帰りを待っていたルフィとユナの二人だった。