第2章 別れは突然に
『エース!』
「よお、なんだ来たのか」
どこからとも無く現れた少女はエースの隣へふわりと舞い降りた、栗色の癖っ毛を靡かせ見た目はまだ幼さを残すがその雰囲気はどこか大人びている少女ユナ。
『炎が見えたから来てみればやっぱりエースだったのね、どうする?手伝う?』
「いや、争うつもりはねェ…このままずらかるぜ」
『…りょーかい』
「あと、もう能力解いても構わねェぜ。…このままじゃ町が砂まみれになっちまう」
『分かったわ』
パチンとユナが指を鳴らすと先程まで吹き荒れてた風がピタリと止んだ、エースの言う通り風は砂埃も一緒に巻き込んで吹き荒れていた為あのまま風が吹き続けていたら町が砂に埋もれるのも時間の問題だっただろう。
風が止んだことでやっと身動きが取れる様になったスモーカーは直ぐさまエース達に向かっていった。
「ポートガス‼︎このまま逃げれると思うなよ‼︎」
「フッ…、悪りィが見逃して貰うぜ…!、炎上網‼︎」
「……くッ⁉︎」
エースが放った能力、炎上網で海軍達との間に炎の壁が立ち上った。これで海軍も暫く追っては来れないだろう、炎の壁の向こうで悔しげに舌打ちしたのが聞こえた気がした。
「よし、じゃァ行くぞユナ」
『行くって何処へ?この町出るの?』
「あァ、どうやらヤツはこの町を出たらしい…それに、弟と合流しねェとな!」
ニカッと笑うエースにルフィに会えたんだと、ユナも微笑んだ。なんでもエースが海軍を足止めし後で合流すると約束してルフィ達を逃がしたらしい、それなら早く追いかけるに越した事は無いだろう。
エースとユナは急ぎ足でその場を後にした。