第2章 別れは突然に
店に戻って目にした光景にエースは思わず笑顔が溢れた、そこには自分の探していた弟の姿があったのだ。
「ル…‼︎、おい、ル……ウゲ⁉︎」
「‼︎、おい!麦わらァア‼︎」
やっと会えた弟に駆け寄ろうとしたその時、一緒に吹っ飛ばされた海軍にエースは頭を掴まれ地面に叩きつけられたのだ。どうやら海軍は弟を追ってるらしく逃げた弟と共に店から駆け出していってしまった。
それを見たエースもすぐさま起き上がり店を後にした、背後から聞こえてきた店主の「…食い逃げだー‼︎」と言う声を無視して…。
そして話しは冒頭へと戻る、二人を追い掛けてたエースは弟に危害を加えようとした海軍の前へと立ちはだかったのだ。
「そこをどけポートガス‼︎」
「…悪りィがそれは聞けねェな、この先にお前らを通すわけにはいかないんでね」
「チッ…!なら力尽くで通るまでだ‼︎」
その言葉通り葉巻を咥えた海軍もといスモーカーはエース目掛けて自身を煙に変え攻撃を仕掛ける、だがエースは自然系の能力、どんなに攻撃しようと身体が炎に変わり全てすり抜けていく。
「だから言ったろォ、おれとお前とじゃ勝負はつかねェってな」
エースの言う通り自然系には物理攻撃が効かない、だからこちらが負ける事は無いがどうやら相手も自然系。自然系同士の闘いは長引くだけだ、スモーカーは舌打ちをすると煙から姿を戻しエースと距離をとった。
「…じゃ、そろそろトンズラさせて貰うぜ」
エースはニヤリと笑うと手を前に翳す、それを見たスモーカーは最後の悪あがきと再び煙になりエースに襲い掛かった。
「無駄だって言ってンだろ…」
エースがスモーカーの攻撃に備えて構えたその時、どこからとも無く声が響いた。
『ティエラ(疾風)!』
声と共に強烈な風が海軍を襲う、煙だったスモーカーは勿論のこと後ろに控えてた海軍達もその突風に身体が飛ばされそうになる。だがエースには全く風の影響が無かった、まるでエースを守るかの様に風が避けているのだ。
こんな芸当が出来るのはエースが知る限り一人しかいない、その人物を思い浮かべて思わず口端が上がる。