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巡り逢わせ【ONE PIECE】

第7章 タイムリミットとビビの声


「なァ、ユナの能力で探せねェのか?」
「ユナの…、あ!そうかそれがあった‼︎」

ゾロの言う事に合点がいったのかウソップも手を叩きユナに向き直る。

「ユナおめェ風で砲弾の場所探せねェか⁉︎」

風で…。ウソップに言われユナは少し考える、おそらく2人はカジノの地下での事を思い出して言っているのだろう。

クロコダイルの経営するカジノの地下でゾロ達は捕まった、そこに遅れてユナが現れた時、どうやって辿り着いたのかナミに聞かれてユナは”風で探った”と答えたのだ。

今回も風で探せないかと2人は言っているのだろう。

『…探せなくは無いと思うけどこの塵旋風の中そんなすぐには見つけられないと思うわ』

それが出来てたら態々飛び回ってみんなを探さない、こんな風が吹き荒れていたら何を探すにもかなりの集中力が必要になる、それに今のユナの状態では満足に探せないだろう。

ユナの答えにウソップはガックリと肩を落とした。

『で、でもやるだけやってみるから!見つかり次第知らせるわ!』
「そうだな、落ち込んでてもしょうがねェ。とりあえず探すぞウソップ」

「…分かった、こっちも見つかったら”合図”出すからユナも宜しくな!」

顔を見合わせ頷くとゾロとウソップは引き続き砲弾を探す為駆け出した。それを見送りユナもその場を離れる為立ち上がろうと踏み出す、が思うように力が入らずその場に崩折れた。



『……っクソ、肝心な時に動けないとかただのお荷物じゃん…』



自分の不甲斐なさに奥歯を噛み締める、今までもそうだった、肝心な時に自分は役に立たない…これじゃいつかはみんなに愛想を尽かされる。


そう思った…その時、一陣の風が吹き抜けた。風はユナの髪と帽子を揺らすとまるでユナを後押しするかの様に去っていく──。



風に揺らされたオロンジ色の帽子が視界に入った。

『──っ、まだ…』

諦めるのは早い。自身に言い聞かせる様に呟くとユナは渾身の力を振り絞って立ち上がり、ふわりと建物の屋上へと舞い上がった…。



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