第5章 ワニの家
「…やァ…ようこそアラバスタの王女ビビ、いや…ミス・ウェンズデー、よくぞ我が社の刺客をかいくぐってここまで来たな」
「来るわよ…‼︎どこまでだって…‼︎あなたに死んで欲しいから……‼︎Mr.0‼︎」
此処に来るまでにビビも戦っていたのだろう所々に傷がみられる。
「死ぬのはこの”くだらねェ王国”さ…ミス・ウェンズデー」
「…‼︎」
この国の人々がどんな風に暮らして来たかも知らないくせにくだらない、その一言で終わらすクロコダイルをビビはキッと睨みつける。
「お前さえこの国に来なければ…アラバスタはずっと平和でいられたんだ‼︎」
「ビビ‼︎」
仲間の声は耳に入らず怒りの限りに叫んだビビはクロコダイル目掛けて走り出した。
「クジャッキーストリング(孔雀一連)スラッシャー‼︎」
孔雀模様のチェーンスライサーをクロコダイルの首目掛けて投げ放つ、ルフィ達が息を呑む中スパァンとクロコダイルの首が無くなった。正確には首から上が砂になって四散したのだ、その光景を見たルフィ達は驚きの声をあげた。
「気が済んだかミス・ウェンズデー…この国に住む者なら知ってるハズだぞ…」
サァーっとクロコダイルの全身が砂になるとゆらりとビビの背後へと移動した。
「このおれの”スナスナの実”の能力くらいな…ミイラになってみるか?」
「コラお前ェ‼︎ビビから離れろぶっ飛ばすぞ‼︎」
ビビの口と手を封じたクロコダイルにルフィが叫び、ウソップは初めて見るスナスナの実の能力に驚愕し、元々クロコダイルの能力を知っていたスモーカーは特に驚く事もなく黙っている。
「…そう騒ぐな……やっと主賓が揃ったんだこれか…」
『アネモスダンカーナ(風の鉤爪)!』
突如として響いた声と共に飛んで来た風の刃がクロコダイルに直撃する、クロコダイルが砂になり四散したお陰でビビの拘束は解かれた。
「……何処のどいつだ?」
額に青筋を浮かべ怒りを押し殺した声でクロコダイルは攻撃が飛んで来た方を見やる、そしてそこにいた人物を見るや否や僅かに目を見開いた。