第4章 真にやるべき事は
その日は町に泊まる事になった、町があの状態なので寝る所しか無いがそれでも歩き疲れた身体には十分だった。
「いや〜諸君、今日はまーお疲れ様‼︎とりあえず少し寝て体力を回復しようじゃないか、明日のためにおやすみーっ‼︎」
「おめェは今まで寝てただろうが‼︎」
そう、ゾロの言う通りウソップは途中でダウンしゾロに担がれてココまで来たのだ。
「あたり前だへばったんだよ、おれは体力がねェからな‼︎おめェらバケモンと一緒にすんじゃねェよ‼︎」
ナミは途中で仲間になったラクダにビビを乗せて行ってしまうし、体力バカのゾロは勿論のことルフィ、サンジと一緒にして貰っては困る、「おれの貧弱さをなめるなよ」と自慢にならない事をウソップは威張って言う。
チョッパーは雪国育ちで暑さに弱くダウンしていたが…
「ユナも能力使って飛んでくし…全くもって理不尽だ!」
そう、みんなが地道に歩いてる中ユナは風を使い一人悠々と空を飛んでいたのだ。
「なにが理不尽だだよ、能力使えるのもユナちゃんの魅力のひとつだろ、レディにイチャもんつけんなよ」
ベシッと踵落としを食らうウソップが「おめェの方が理不尽だー!」とツッコミを入れたのは言わずもがな。
「あれ…そういやユナがいないぞ…?」
「そういやルフィも見当たらねェな…」
「二人なら外で見たわよ…まぁ、ほっといても大丈夫でしょ。私たちは明日に備えて寝るわよ」
「はぁ〜い、ナミさ〜ん!」
ハートを飛ばしながら言うサンジはいつもの如く無視し、皆それぞれが寝床についた。
その頃宿の外ではルフィとトトおじさんが水を求めて穴を掘っていた、それを建物の上からユナは眺めていた。
トトおじさんが掘った穴にルフィが掘った穴の砂を入れて怒られているのを視界の端に入れながらユナは一つ息をつくと目を閉じた。
風を肌で感じながら神経を研ぎ澄ませる、遠くへもっと遠くへと風を伝って意識を飛ばす──。