第4章 真にやるべき事は
「…あのバカ共なら…もうこの町にはいないぞ…‼︎」
「何だとォ〜〜っ⁉︎」
「そんな…‼︎」
まさかの事実に動揺が隠せない、なんでも反乱軍は”カトレア”に本拠地を移したそうだ。カトレアは何処だとルフィがビビに詰め寄った時男が”ビビ”と言う名に反応した。
「”ビビ”…⁉︎…今…ビビと…⁉︎」
「おいおっさん‼︎ビビは王女じゃねェぞ⁉︎」
正直者のルフィにゾロが「言うな‼︎」と突っ込むが流石に誤魔化しは効かないだろう、ビビの正体がバレてしまった。
「…ビビちゃんなのかい⁉︎…そうなのかい⁉︎」
正体がバレた事に焦っていたがその呼ばれ方に今度はビビが反応をした、男をじっと見つめて記憶を辿る──。
「……‼︎トトおじさん……⁉︎」
どうやらビビの知り合いのようで名を呼ばれた男──トトおじさんは顔を綻ばした。名前と顔が一致するのに時間が掛かったのは余程風貌が違っていたのだろう、昔と違って痩せ細った姿にビビが息を呑んだ。
みんなが国王を疑う中、今でもトトおじさんは国王を信じ何度もくる砂嵐にも負けず今まで町を守ってきたらしい、何度も何度も反乱軍も止めたがもう何を言っても無駄だった、反乱は止まらない彼等の体力は限界だ…。
「次の攻撃で決着をつけるハラさ…もう追いつめられてるんだ…‼︎死ぬ気なんだ‼︎」
「頼むビビちゃん…あのバカどもを止めてくれ‼︎…もう君しかいないんだ‼︎」
国民の…トトおじさんの叫びを聞き、ビビはぐっと出そうになる感情を呑み込む。
「…トトおじさん、心配しないで…反乱はきっと止めるから!」
笑顔でそれでいて気丈に振る舞うビビに一味は黙って見守る。例え一国の国の王女でもまだ16のビビには重すぎる現実のハズだ、それでも笑える彼女は本当に強い、でも──。