第4章 真にやるべき事は
そうこうしてる間に一味はユバを微かに目視できる距離まで辿り着いた。道中ワルサギにあって全ての荷物が取られたり、大トカゲと戦ったり、ラクダが仲間になったりと色々あったが陽が沈んだ頃には何とか辿り着けた。
だがそこで一味が目にしたのは衝撃的な現実だった。砂が舞っててよく分からないが微かに遠くに明かりが見える、と思ったら不意に地響きを感じた、それに町の様子がおかしい…。
ユナも不穏な空気を感じていたその時。
「砂嵐っ‼︎ユバの町が砂嵐に襲われてる‼︎」
『「「⁉︎」」』
砂嵐が去ってから一味はユバに近付く、草木は枯れ建物の大半は砂に埋もれている…信じられない光景にビビは息を呑む。
「そんな…」
「こりゃひでェ…これじゃエルマルと変わんねェぞ…‼︎」
「水は⁉︎」
「ここはオアシスじゃねェのかよビビちゃん…‼︎」
「砂で地層が上がったんだ…オアシスが飲み込まれてる…‼︎」
かつて”ユバ・オアシス”と呼ばれてた姿は跡形も無くあるのは枯れ果てた町並みだった…。
一味が呆然と立ち尽くしていると不意に声を掛けられた、見れば痩せ衰えフラフラになりながらも砂を掻き出している一人の男がいた。
見渡す限り町人はその男一人しか見当たらない、ビビが男に反乱軍の事を尋ねると男は目の色を変えて怒鳴ってきた。
「貴様らまさか反乱軍に入りたいなんて輩じゃあるまいな‼︎」
怒号と一緒に空樽やバケツなんかが飛んでくる、先頭にいたビビは勿論ほかの一味も何とかそれらを避ける。