第25章 過去からのメッセージ
だから──恩を仇で返した私の事なんて恨んでると思ってた、忘れられてても仕方がないと思ってた…なのに…。
”──また一緒に世界を見て回ろうぜ”
嬉しかった、また誘って貰えた事が。けどそれと同時にもうあの頃には戻れないという現実が、私に突き刺さる。
この世界の何処にもロジャーはもういない。
どんなに願ってもロジャーにはもう会えない。
それが物凄く、──……
一言でいいから謝りたかった…ゴメンねって、意地張ってゴメンねって…あんな喧嘩別れなんて嫌だよ…ロジャー…
私はいつも後悔してばかりだ──
背中を幹に預け空を仰ぐユナの表情は悲痛に歪んでいた。
──……
一方で黄金を取りに行ったナミ達は歓喜の声を上げていた。
「すごーい‼︎」
「コリャ本物だぜ! 何食ってんだこのヘビ…」
「キレーだな! サルの家で見たやつと同じだ〜‼︎」
各々が黄金を手に取り目を輝かせる者、頬擦りする者と、宝の山に目が眩んでいた。
そこに一足遅れてルフィが合流する。
「な! な‼︎ 黄金の山だろ‼︎」
「ホントに! これで貧乏海賊ともおさらばだわ!」
嬉々として黄金を袋に詰め出した一味だったが、ふとチョッパーが辺りを見渡し声を上げた。
「あれ? ユナは一緒じゃねェのか?」
「あァ空島見て回りてェらしいから別れてきた」
「え、そうなのか⁉︎」
てっきりユナも一緒に来るもんだと思っていたチョッパーは見るからに困惑した。
「心配し過ぎよチョッパーは」
その様子を見ていたナミが口を開く。
確かにユナは危なっかしい所があるが敵はもういないのだ、ルフィが一緒なら何かと心配だったが幾ら何でもあんな状態ではユナも無茶はしないだろう。
そう言い聞かせれば浮かない顔のチョッパーは渋々頷いた。そんなチョッパーを見てサンジは煙草を吹かす。