第24章 垣間見える鱗片
仲良くなるのはいい事だし折角の数少ない女仲間なのだ、自分もユナとはもっと仲良くなりたいと思っている。思ってはいるがさっきみたいにあからさまに避けられると正直ちょっと傷付く訳で…そりゃ人には言いたくない事の一つや二つはあるだろうけど。
一人悶々と悩み出したナミは眉間にシワを寄せる。
チョッパーは知ってるみたいだったけど他のみんなはどうなのか、ふと疑問に思いナミはウソップに振り向いた。
「ねェ、ウソッ──」
「お〜いみんなァ〜、ユナ見付けたぞ〜」
ナミが口を開いたその時、遠くから声が聞こえた。
聞き覚えのあるその声の方へと振り向けばルフィがユナを肩に担いで駆け寄って来る姿がそこにはあった。
「よっと……ふぅ〜」
ナミ達の前迄来たルフィはユナを降ろすと良い仕事をしたと言わんばかりの笑顔で額の汗を拭う仕草をする。
そんなルフィを見上げユナが口を開こうとしたその時、広場からドッと笑い声が溢れた。
誰かの一発芸でもウケたのか一際賑やかになる宴にルフィは居ても立っても居られず、ウソップの鼻を掴むと広場に向けて駆けて行ってしまった。
そんなルフィの慌しい行動に半ば呆然としていたナミは我に返ると、取り残されたユナを見た。
ユナもユナで連れて来られたにも関わらず放置された事に呆然としている様子だった。
『……ルフィって』
「分かるわ、分かるわよユナ、あんたの言いたい事は」
ルフィの予測不能の行動はいつもの事だ、けどその行動には何かしらの意味はある。いつもは何となく理由が分かるが今回は流石のナミでも分からなかった。
一緒に宴に混ざるならまだしも、ルフィはウソップだけを引っ張って行ったのだ…ユナは連れて来るだけ連れて来て後は放置。
意味が分からない。
恐らくユナもそう思ってるに違いない。