第24章 垣間見える鱗片
「やっぱりあいつの行動は理解不能だわ」
『…でもそれがルフィよね』
ユナの言葉にナミは目を丸くした、そして直ぐに破顔する。
「まァそれもそうね」
ルフィの事で悩んでも時間の無駄だ、自分がユナに言った事を思い出し、ナミは気持ちを入れ替えるとユナを連れて宴に参加して行ったのだった。
──……
ドンチャン騒ぎも終わりを告げた。宴疲れでみんなが寝静まった頃、ルフィは仲間を順番に起こしていた、スカイピアの住人は起こさぬようにこっそりと。
「…い、おい…起きろユナ…!」
『……ん…』
体を揺すられユナは重たい瞼を無理矢理持ち上げた。ぼやける視界を彷徨えば、ずいっと目の前にルフィの顔が現れる。
「ユナ! 起きたか?」
『……どーしたの…ルフィ…?』
目を擦り体を起こせば他の仲間もルフィに起こされたのか、各々が伸びをしたり欠伸をしたりとまだまだ眠たそうだった。
ユナも伸びをしながら体を解す。石畳で寝ていた為強張ってしまった体はポキポキと良い音を鳴らしていた。
「し〜っ、黄金を奪って逃げるぞ!」
その言葉にナミの目がパチリと覚める。
「え⁉︎ 黄金があるの⁉︎」
「ばかっ! 声がでかい‼︎」
「あんたの方がでかいわよ!」
スパーンとナミの平手がルフィにヒットした。
ギャアギャア騒ぐルフィ達にスカイピアの人々が次第に起き出す。
口々に青海人はどんだけ宴が好きなんだとか、あんだけ騒いどいて元気だなとか、呆れながらもその表情は和やかだった。
暫く騒いだ麦わらの一味は徐に会集を始め、口元に笑みを浮かべる。
「──じゃそういうわけだ」
「滅多に来れねェ空島だ! 思い残す事のねェように‼︎」
船長の言葉に一味は各々顔を見合わせると頷いたのだった。