第4章 真にやるべき事は
『え…、ウソップよわ…』
「負けんなよ…」
「お前らァ…おれの…弱さを……なめるなよォ…」
ウソップの弱さにゾロとユナは思わず突っ込む、何でもウソップがやられた動物はクンフージュゴンという武闘家らしい。
「っしゃァーー!」
反対に向こうではルフィがクンフージュゴンに勝っていた。それを見たビビがまた声を上げる、どうやらクンフージュゴンに勝ってもダメなようで、負けたクンフーはその人に弟子入りするのが掟らしい。
いつの間にか弟子が増えていたルフィにビビがツッコミを入れつつ何とかチョッパーを通じてクンフー達にお引き取りを願えた…説得するのに食糧の大半を失ったが。
──それにしても、初めにビビが言っていたがココは”緑の町エルマル”と言うには無理があるくらい何にも無い町だった、数年前までは緑が溢れていたらしいが今ではその面影すらない。
この異常なほどの乾燥もそうだがやはりこの国は何かおかしい、ユナが眉を寄せているとビビがこの国に起こったことをポツポツと話し始めた。
全ては”七武海”クロコダイルによって仕組まれた罠。”七武海”とは政府によって認められた海賊の事だ、そのクロコダイルが”ダンスパウダー”という粉を使って雨を奪い、王の仕業に見せかけそれに怒った国民が反乱軍を立ち上げた。
あぁそれでかとユナは合点がいった、この国の異常な程の乾燥はダンスパウダーが原因だった、ダンスパウダーは人工的に雨を降らす粉、まだ成長途中の雨雲を周囲の雨雲を奪って成長させるものだ、それによってダンスパウダーを使った周辺には雨が降らなくなる。
そしてそれはクロコダイルの思惑通り反乱軍と”無実”の国との争いが起きる引き金となった──。
「国の平和も…王家の信頼も…雨も…‼︎町も…そして人の命までも奪ってこの国を狂わせた張本人がクロコダイルなの‼︎」
「…なぜあいつにそんなことをする権利があるの⁉︎」
「私は…あの男を許さない‼︎」
顔を歪め叫ぶビビの声が心に刺さる、少し離れたところでは国の内情を知ったルフィ、ウソップ、サンジがやり場の無い怒りを建物にぶつけていた。
──建物が崩壊していく。
「…さっさと先に進もう、ウズウズしてきた」
それを合図に一味は再びユバに向かって歩き始めた。