第4章 真にやるべき事は
麦わらの一味はサンドラ河を渡るとユバへ続く大陸へと船を着岸させた。
「着いた…”緑の町エルマル”ここから半日歩けばユバへ着くわ」
ビビの説明を聞きながらユナはフードを被り直した。
──砂漠で長時間直射日光を浴びるのは危険なのだが生憎ユナは上着を持ち合わせていない、そもそも長期滞在する予定もなかった。
だからそれを聞いたビビが予備にと買っておいた上着を一着渡してくれたのだ、用意周到なビビに感謝しながら上着を羽織りフードを被れば準備は万端だ。
勿論エースから預かっている帽子は首から下げている。
準備万端でいざ上陸しようと手摺に手をかけた時、不意に誰かに腕を掴まれた、後ろに腕を引っ張られたもんだから思わずコケそうになった。
『…わわ、……どうしたのルフィ?』
「ユナ!腕出せ腕!」
『腕…?』
何のことだか分からないでいるとやり取りを聞いていたナミが「あぁ、そっか」と納得していた。
何でも他人そっくりに変身する敵がいるらしく、その対策として仲間に印を付けているそうだ。ルフィはユナの左腕を取ると徐に印を付け始めた。
『…これが印?』
「あァ、かっこいいだろ!」
「ユナは入ったばっかだしまだみんなの事分からないと思うけど、ちょっとでも怪しいと思ったらコレで確認してちょうだい」
『えぇ、分かったわ』
暫く自身に巻かれた包帯を見詰めると今度こそユナは大陸へと飛び降りた。
「うおーーっ、何だこりゃ⁉︎カメか⁉︎」
「クオー」
「アザラシか⁉︎」
何やら叫んでいるウソップの方を見ればそこにはアザラシ?がいた、近付くウソップにビビが制止を掛けるが時既に遅し、ウソップはアザラシにやられてしまった。