第23章 終焉を告ぐ島の歌声と堕ちる陰
チョッパーが出て行きユナも物陰から身を出した。
首から下げた三角巾に左腕を固定したユナの姿にサンジとナミが駆け寄る。
「ユナちゃん大丈夫だった?」
『えぇ大丈夫、見た目程大した事ないから』
「それならいいんだけど…」
「…ユナ、はいこれ」
『…!』
ナミに手渡された帽子をユナは見詰めた。
一瞬溢れ出しそうになった感情を呑み込み、何時ものようにふわりと笑う。
『ありがとナミ』
「どう致しまして、ところであんた──」
「おいユナ、大丈夫だったか?」
後から来たルフィがナミとユナの間に割って入って来た。
『ええ、大丈夫よ』
「だったらもっと食糧取りに行こうぜ! 宴するからよ!」
ユナの腕を掴んだルフィはそのまま勢い良く行こうとしたのだが、それはナミによって阻止された。
「ちょっと待ってルフィ」
「なんだよナミ」
「ユナはダメよ」
「なんでだよ」
ナミの言葉にルフィだけでなく言われたユナ本人も首を傾げる。
意味が分からないと言う顔をする二人にナミは盛大に溜息を吐いた。
「見てわかるでしょ、ユナは怪我してるのよ」
「でも大丈夫って言ったぞ」
『ええ、大丈夫よナミ』
「あ、の、ね、腕が動かないのは、大丈夫な内に、入らないの、よ!」
ナミにおデコをコツコツ突かれながら言われたユナは顔を顰める。
「なんだユナ、腕動かねェままなのか⁉︎」
『大丈夫よ、直ぐに治るわ』
「そうか、なら問題ねェな…よし、食糧取りに行こう!」
「だ〜か〜ら〜!」
話が通じないルフィにナミが苛立ち始めるがすかさずサンジが仲裁に入る。
「ルフィ、今回はユナちゃん連れてくのは諦めろ」
「サンジまでなんだよ」
ホントにナミもサンジも一体どうしたんだろう…私が行くのは何か問題があるのか、二人して止めるなんて。