第23章 終焉を告ぐ島の歌声と堕ちる陰
ルフィもだがユナ本人も訳が分からないと二人に説明を求めた。
「ユナ、あんたチョッパーに絶対安静って言われたんでしょ」
『言われたけど多少動くには問題無いわ…てかナミ、何で知ってるの?』
チョッパーに治療して貰った時周りには誰もいなかったはずだ。
「さっきチョッパーに言われたのよ、絶対安静だから何か無茶しそうになったら止めてくれって」
『…過保護過ぎるわ』
自分の事は自分が一番よく分かってる、食糧集めくらい問題無いのに。
如何にも不満ですと言う顔をしてたらナミにダメなものはダメだと言われた。
「まァまァユナちゃん、今回は諦めな…船医の言う事は聞いといて損は無いからさ、それに食糧集めなんて野郎共に任せとけばいいよ」
タバコをふかしながらサンジは言うが、他のみんなも決して軽傷ではない…見た目だけなら私と大差無い程の包帯姿なのに。
私はそんなに頼りないだろうか…。
思い返せばワイパーとの交戦でメリー号に穴を開け、メリー号が特急エビに連れ去られた時は途中で気を失うし、挙句の果てにはエネルに敗れ左腕が動かない始末。
本当ならアラバスタの分も挽回しなきゃいけなかったのに。
頼りないどころかこれじゃ……
お荷物にならない程度には戦えるってみんなに言ったのに。
エネルには散々傲るなどと言っておきながら…傲っていたのは私の方だったんだ。
ユナの心に静かに陰が堕ちる音がした──