第23章 終焉を告ぐ島の歌声と堕ちる陰
一方で、ジャイアントジャックの根元に一味はいた。
気を失っていたサンジとチョッパー、空の騎士は意識を取り戻しており、チョッパーが負傷者の治療にあたる中、一味はジャイアントジャックを登って行った二人の帰りを待ち侘びていた。
「ユナちゃんは…大丈夫かな…。ま、ルフィが一緒なら無事だろうが…、コニスちゃんも心配だ…何処にいるのか…」
煙草を吹かしながらサンジは独り言ちる。
「結局アレか? 黄金の鐘は──」
「あァ、落ちたんじゃねェか?」
サンジの問いにウソップが応える。下からでも分かった、ルフィがエネルと共に黄金の鐘をぶっ飛ばしたのが。
「あのエネルの金ピカ舟惜しかったな…”黄金郷”とは言うが今や名ばかりか…」
「おれ達の貧乏航海は続く訳だ」
「おれは金よりあのダイアルが欲しい…青海に戻ったら手に入らねェもんな‼︎」
サンジとゾロとウソップが雑談する側でナミとロビンは空を見上げていた。
「本当に神を倒した…」
「あら、エネルが神だと認めるのね」
「! そうね…あんな奴神でもなんでも無かったわ‼︎」
「ふふ、そうね」
命懸けで辿り着いた空島で、まさか命懸けの死闘をする事になるなんて誰が予想出来ただろう。
けど、その戦いも黄金の鐘が終わりを告げたのだ──
暫くしてひと息ついていた一味の元に馴染みの声が聞こえて来た。
「おーい‼︎」
遠くから聞こえる仲間の声に一味は顔を上げる。
「ああ‼︎ ユナちゃあ〜〜ん‼︎ んクォ〜ニスちゃあ〜〜ん‼︎」
「ルフィ‼︎」
途中、空島からの脱出を案内する為追いかけて来てくれたコニスと出会い、ユナ達は共にみんなの元へと帰って来た。
そしてみんなの無事を知るや否やコニスは号泣した。
「みなさん…ご無事でよかったァ…私、心配で…だけど何も出来なくて…」
「コニスちゃん、そんなにおれの事…っ」
「違うだろ」
安堵から泣き続けるコニスにサンジがラブハリケーンを飛ばすが、それは即座にウソップによって阻止される。
「お前らそれ食糧か? どうしたんだ」
「あれ、ユナちゃんもしかして歩けないのか?」
「それがよゾロ森の中に食糧庫があったんだ、まだまだあったぞ!」
『大丈夫よサンジ、ルフィが離してくれないだけだから』
「は? 何でまたルフィが離さねェんだ?」