第22章 合流、そして目指すもの
全員が音の方を振り向く、そこで目にしたのはすっぽりと島雲が無くなったスカイピアの姿だった。
「…ウソ……」
『…!』
「なっ…」
目の前の信じられない光景に一同が言葉を失う…もう本当に時間がない。
全員無事合流出来た、後は一秒でも早くここから逃げるだけ。ナミがみんなを急かせばルフィは駄目だと突っぱねた。
「何でよ⁉︎」
「おれはまだあいつに用事がある!」
「用事⁉︎ こんな所に何の用事があるのよエネルに仕返しでもするつもり⁉︎」
「この空に”黄金の鐘”があるんだ‼︎」
ルフィの言葉にナミは益々声を荒げた。もう黄金なんて言ってる場合じゃない、命が危ないこの状況を一秒でも早く脱出する以外に優先させる事はないはずだ。
「黄金なんてもういいの‼︎ 命の方が先決でしょ⁉︎」
あれを見て! とナミは陥没した島雲を指す。いくらルフィに雷が効かなくともエネルは全てを破壊する力がある…殺されるに決まってる! ナミの叫びにも似た言葉にルフィは真剣な顔付きになる。
「死ぬもんか…お前も見ただろ‼︎」
「な、何をよ…」
「”黄金郷”はあったじゃねェか‼︎」
黄金郷、ナミがさっき言ってた事だ…この雲の下には黄金郷があるらしい。
「…だからそれがどうし──」
「だったら黄金の鐘もあるはずだ!」
「……?」
ルフィの言わんとする事がイマイチ理解出来ないナミ達は訝しげな顔をする。
「おれは黄金の鐘を鳴らして栗のおっさん達に教えるんだ!」
ルフィの言葉にナミが言葉を詰まらせれば今迄沈黙していたロビンが口を開いた。
「…それならきっと”大鐘楼”はこの上よ」
「ホントかロビン⁉︎」
「えぇ、間違いないわ…エネルもそこを目指してる筈よ」
ロビンは巨大な蔓、ジャイアントジャックの上に視線を向ける…確かにロビンの言う通りエネルの舟はジャイアントジャックの頂上を目指しているようだった。