第22章 合流、そして目指すもの
元々エネルには負けた借りがある、ついでに連れてって貰おうじゃねェか。
ゾロは口端を釣り上げると三人に近付いた──そして徐にユナの左腕を掴んだ。
『……なに?』
「オレも連れてけ」
予想もしなかったのかユナの目が点になる。
一人より二人の方が勝算は上がる、断る理由はないだろう。
そう思ったのに何故かこいつは黙り込んだ、答えなんて一つしかない筈だ…何を考える必要があるのか。
ゾロが微かに眉を寄せるとユナは徐に口を開いた。
『…嫌だと言ったら?』
ほォ…中々面白い事を言うじゃねェか。
一人で十分だと言いたいのか……それとも俺がいたら何かしら都合が悪いのか、まさか断るとは。
だが生憎とはいそうですかとそんなあっさり引き下がるほど俺は人間出来てねェ。
そっちがその気ならこっちにも考えがある。
ゾロは口端をニヤリと釣り上げた。
「別にいいぜ? バラされてもいいならな」
掴んでたユナの腕を軽く上げ一瞬視線を送ればそれだけで伝わっただろう。ユナの顔が変わった。
ナミとウソップに腕の事がバレれば二人は今以上にこいつを引き止めるだろう、そんなめんどくさい状況はこいつも遠慮したい筈だ。
もし二人を振り切って強行突破するつもりならそれはそれで構わねェ…そン時は俺も連れてって貰うだけだ。
この腕は絶対に放さない。
少しの沈黙の後、覚悟を決めたのかユナが顔を上げた、とその時聞き覚えのある声が聞こえた。
「おーーい‼︎ みんなーー‼︎」
「…‼︎ ルフィ!」
『…!』
遠くに見えるのは球体の金塊を引き摺りながら駆けて来るルフィの姿だった。
「お前ら無事だったか、良かっ──!」
ルフィの姿を確認し安堵したのも束の間、突然辺りが真っ白な眩い光に包まれたかと思うと直ぐにドカッと、地を割る程の低い雷鳴が轟いた。