第22章 合流、そして目指すもの
「…ゾロ‼︎ ロビン‼︎」
不意に聞こえた声に反射的に振り向けば、そこにはウェイバーに乗ったナミとウソップ、ついでにコックの野郎が目に入った。だが後もう一人…エネルに攫われた仲間がいない事にゾロは一瞬焦る。
しかし直ぐにナミ達の後ろをその人物が飛んでいる事に気付き人知れず安堵した。
仲間と合流しこれからどうするかを話し合っていれば、ふとユナが険しい顔付きで空を見上げているのが目に付いた。
何を見てるのかと空を見上げればそこには大きな舟が一隻。雷雲の空を悠々飛んでるその舟には恐らくエネルが乗っている…じっと舟を見詰めるユナの姿にゾロは眉を寄せた。
こいつ…まさか…。
舟を睨んだまま拳を握るユナを見て、ゾロの目付きも鋭くなる。
「お前…まさか行くつもりじゃねェだろォな?」
言われて目を丸くするユナを見て予想が確信へと変わった。
「…やっぱりか」
ゾロはガシガシと頭を掻いた。
ユナはカゼカゼの実の能力者だ、風を自在に操れるこいつにとってエネルの元へ行くのは造作も無いだろう。
だが一人で行くのは無謀過ぎる、いくら能力者と言えど雷(自然系)と風(超人系)では分が悪い…それはこいつも分かってる筈だ。
俺でも歯が立たなかった、それは一度戦って分かった…そう、一度戦って……。
そこでゾロはふと思い出す…ユナがエネルに抱えられていた時の事を。
ユナもエネルと戦ったのだろう、その姿はボロボロだったがエネルも微かに傷を負ってなかったか──?
自然系のエネルに傷を──……
ゾロはユナに目を向ける。
自分の発言でナミとウソップにもの凄い勢いで何かを言われてるユナの腰は若干引けていた。が、それよりも目に付いたものがあった。
ユナの左腕だ。
さっきからずっと動かさないどころか肩に括り付けられた布から先がだらんとしている。
ナミとウソップは気付いて無いがあれは明らかに左腕が動かないのだろう。
例えエネルに対抗出来る術があってもあんな状態で勝てる程、相手は優しく無い。