第22章 合流、そして目指すもの
何を言っても行かせてくれそうに無い二人にここはもう強行突破しかないかと、ユナが舞い上がろうと一歩足を引いたところでゾロに左腕を掴まれた。
『……なに?』
「オレも連れてけ」
まさかの申し出に目が点になる。
確かに人ひとりなら運べなくも無いが、自分の比じゃないくらい大怪我をしている人間を誰が戦地に連れて行くだろうか。
しかも相手は雷だ、対抗出来るとすればゴムのルフィか自分くらいだろう…生身の人間が勝てる訳が無い。それに…ゾロがいては易々と能力が使えない。
『……嫌だと言ったら?』
ユナの言葉にゾロは掴んでた腕を軽く掲げるとニヤリと口端を釣り上げた。
嫌な予感がする。
「別にいいぜ? バラされてもいいならな」
ゾロの視線が一瞬左腕に行く。それだけで理解した、断れば左腕が動かない事をバラすと暗に言われたのだ。
今の状態でも納得してくれない二人に、腕の事までバレて仕舞えば絶対に行かせてはくれないだろう。
このまま強行突破しようにもゾロは腕を放してくれそうにない、動かない腕でゾロの手を払い退けるのは至難の技だ。
初めからゾロはこのつもりだったのか、態と私の考えをバラし助けて欲しけりゃ自分も連れて行けと。
何ともタチが悪い。
さてどうする…
ユナは暫し思案した──