第19章 キミとの約束(後編)
白ひげが感じてる様にユナもエースに今は亡き船長の面影を感じているのだろう、だからユナは誰よりもエースに懐いている。言い方を変えればそれは依存しているとも言えるだろうが。
「で、ここからが本題だエース」
白ひげの言葉にエースは無言で続きを促す。
「…この先誰よりもこいつと一緒に居るだろォからおめェにはこいつの”能力”について話しておく」
「能力ってカゼカゼの実の事か…? そういや何でユナは海楼石を付けた状態で能力が使えたんだ?」
廃倉庫での出来事を思い出しエースは怪訝に眉を寄せる、だが白ひげの次の言葉にエースは驚愕した。
「そりゃァこいつが”悪魔の実の能力者”じゃねェからだ」
「…⁉︎ ど、どーゆう事だよ⁉︎」
悪魔の実の能力者じゃなければあんな芸当出来るはずがない…エースは驚きながらも白ひげの次の言葉を待った。
「…こいつの能力は”自然を操る”能力だ…最もその事を知ってるのはオレとマルコだけだがなァ」
「…‼︎ 自然を操るってそんな事……」
目を見開くエースに白ひげは更に続ける。
風を操つれれば水も操れる、生命のあるものならばユナがその気になれば簡単に命を奪う事も出来るだろう…その逆もまた然り。
ユナの一族はそう言う一族らしい、持って生まれたユナの力は最強とも言える能力だが過ぎた力はそれ相応のリスクも伴うものだ…そう易々とは使えない。
「リスクって…」
「まァオレも全てを把握してる訳じゃねェが…”自然の理に反してはならない”、これを破れば使用者にそれ相応の反動がくるらしい」
例えば……その能力で誰かを殺した場合、その使用者の寿命が削られる。
「…‼︎」
エースは廃倉庫で真っ先にマルコが賞金稼ぎの元に駆け寄った時の事を思い出した、マルコはユナの能力のリスクを知っていたからそうしたのか…そしてエースはハタと気付く。