第3章 初めまして麦わらの一味のみなさん
まだエースと一緒に白ひげにいた時の事だ…ある日ある事件が起きた、それは海賊最大の罪、仲間殺しをして”ティーチ”と言う一人の男が逃げたのだ。
それを知ってエースは直ぐさま海へ飛び出そうとする。
「やめろよい‼︎、エース頭を冷やせ‼︎」
「オヤジは今回は”特例”だって言ってんだ‼︎、ティーチは追わなくていい‼︎」
「離せ‼︎、おれの隊の部下だ‼︎、これをほっといて殺されたサッチの魂はどこへ行くんだ‼︎」
そう、ティーチは二番隊員だった、隊長であるエースがケジメをつけるのが筋だろう。
「エース…いいんだ今回だけは……、妙な胸騒ぎがしてなァ…」
仲間の死を決して許さない白ひげが今回は特例だと追う事を許さない、余程胸騒ぎがするのだろう…その様子を見ていたユナも不安を拭えずにいた。
だがエースの怒りは治らない、仲間殺しをした事は勿論、何十年も白ひげの世話になっといてその顔にドロを塗って逃げ出した事がどうしても許せないのだ。
船長命令でさえ止まらないエースは最早誰にも止められないだろう。
『……エド』
この船で白ひげを名前で呼ぶのは一人しかいない、栗色の髪をした少女だ。昔からの顔馴染みでもあるがひょんな事から居候として数年前から船に乗っている。
白ひげは黙って隣に立つ少女の話の続きを促した。
『私もエースと一緒に行くわ』
予想はしていたのだろう、白ひげは何も言わない、言ったところでこの少女は聞く耳を持たないだろう、それはこの少女の心情を考えれば分かる事だった。
そうこうしている間にエースは仲間の制止を振り切ってストライカーに飛び降りてしまう。
『…じゃあねエド、とっとと済ませてエースと一緒に帰って来るから…!』
ユナもエースの後を追い掛けて船から飛び降りて行く、それを見た他の仲間が制止の声をユナにも掛けるが本人は素知らぬ顔だ。