第3章 初めまして麦わらの一味のみなさん
今さっき会ったばかりの赤の他人をこんなにもアッサリ受け入れてくれる一味は人が良いのか、はたまた肝が据わっているのか…どちらにせよエースに置いて行かれた今、船に乗せて貰えるのは助かる、ユナはお言葉に甘える事にした。
『じゃァ改めまして、暫く麦わらの一味に居候させて頂きますユナです、よろしくお願いします』
深々とお辞儀をすればそれぞれが返事を返してくれた。
「…ところでお前、戦えるのか?」
「おいマリモてめェ、何不躾にレディに聞いてんだよ!」
ユナは見るからに何処にでもいそうな華奢な少女だ、今から自分たちのする事を考えると戦えないのは少々厄介だ。質問の意図が分かったビビは顔を引き締めた、仲間が増える事は喜ばしい事だが自分のせいで傷付くのは耐えられない。
『…ご心配無く、お荷物にならない程度には戦えるわ…白ひげにいた時もちょっとは戦ってたし』
「ちょっ、ちょっと待て!お前白ひげにいたのか⁉︎」
見るからに非戦闘員な雰囲気のユナが白ひげを口にし一味はどよめいた、中でもウソップは一番驚いているようだった。
『えぇ、殆どは出る幕もなく他のみんなが終わらしちゃうんだけどたまにね…、因みにエースは”白ひげ海賊団二番隊隊長”よ』
「…マジかよ……」
「にっしっしっ、やっぱエースはすげェなァ!」
それぞれが感嘆をもらす中、ふとナミが疑問に思った事を口にした。
「…そんな凄いところからどーしてこんな所に来たわけ?、約束がどうこう言ってたみたいだけど…」
『あー、それは……』
ユナはバツが悪そうに言葉を濁す。
──それはだいぶ前に遡る。