第18章 キミとの約束(前編)
「親父」
白ひげの隣に現れたのは一足先に島の偵察に行っていた一番隊隊長の”マルコ”、パイナップルみたいな髪型が特徴の彼は動物系幻獣種(不死鳥)の悪魔の実の能力者だ。
不死鳥により飛行が出来るマルコは島の偵察役には打ってつけなのだ。
白ひげはマルコを一瞥すると無言で続きを促した。
「どうやらこの島に海軍はいねェみてェだよい、代わりに割と名の知れた賞金稼ぎがいるらしいがそれよりも……」
マルコは遠くになったエースとユナに視線を向ける、それを見て何かを察した白ひげも二人を見やる。
「……そうか」
マルコの言葉を聞いた白ひげは息を吐き目を閉じた、そして暫く何かを思案すると徐に口を開く。
「…悪りィがマルコ……」
「あいよ、とっとと調達終わらして二人の後を追うよい」
「あァ、頼んだ」
白ひげの言わんとする事を理解したマルコは直ぐさまその場を離れ物資調達に向かう。その姿を確認すると白ひげは空を仰いだ…何も起こらなければそれが一番だ、だが念には念を。
おめェの”忘れ形見”はおれが守ろう…なァ──”ロジャー”
雲一つない青空を眺めながら、白ひげは今は亡きかつての戦友を想った──。