第3章 初めまして麦わらの一味のみなさん
『………』
暫くエースの消えて行った海を眺めていたユナは徐に一味に向き直る、一人一人順々に眺めて最後にルフィに目を止めると意を決して口を開いた。
『さっきは見苦しいところを見せてしまってごめんなさい、…エースの言ったことは気にしなくていいから、もし迷惑ならこの船を降りるわ』
「なーに言ってんだァ、もう引き受けちまったんだからお前はもうおれたちの仲間だ!それに迷惑なんて思ってねェぞ、な、おめェら!」
「そうね、仲間が増えるのは心強いわ、しかも女の子!女子は少ないから嬉しいわ!…私はナミ、よろしくね」
先程助け船を出してくれたオレンジ色の髪をした綺麗なお姉さんがウィンクをひとつした。
「おれはウソップだ、…まァ何かあってもこのウソップ様が助けてやるから安心してこの船に乗ってていいぞ!」
第一印象は長鼻、兎に角普通の人より長い鼻をした男が親指を立てて自慢気に言った。
「女の子ならいつでも大歓迎さ!おれはサンジ、この船のコックをしてるんだよろしくねユナちゃん」
視線を向けると金髪にグルグル眉毛が特徴的な男がいた、スーツを着こなす姿はどこか品を感じられる。
「おれも最近この船に乗ったばかりなんだ、まだ分からない事だらけだけど宜しくな!トニートニー・チョッパーだ」
そこには可愛らしい動物が佇んでいた、青っ鼻に頭にはツノが二本ある、鹿か或いはトナカイか…何にせよ後で抱かして貰おうとユナは一人考えた。
「…まァ気にしなくていいんじゃねェか、…ゾロだ」
無愛想に、だけど気にするなと言う彼は根は優しいのだろう、腹巻きに刀を三本引き下げ逞しい体付きをしている。
「初めましてユナさん、今訳あってこの船にお世話になってるビビです、こっちはカルー、宜しくね」
水色の長い髪を一つに束ねナミとはまた違った可愛さを持つ女性と、その横にはカルーと紹介されたカルガモがクエーと鳴いていた。