第16章 神の国
つまりは1人700万ベリー払えば今回は見逃してくれるとの事だ、それでも高い事には変わりない…ふざけた要求に話にならないとサンジが踵を返したその時。
「ちょっと待って‼︎ その人達に逆らっちゃダメよ‼︎」
やっと帰って来たナミの叫び声にウソップが振り向くと声を張り上げた。
「逆らうなって…オイ、ナミ‼︎ じゃあ700万ベリーの不法入国料払えるのか⁉︎」
「……よかったまだ罰金で済むのね…700万ベリーって…」
「高すぎるわよ‼︎」
「ぐあ‼︎」
「隊長〜〜〜‼︎」
ウェイバーで海を走っていたナミはそのままベレー帽を被った男の顔面へと突っ込んだ、ウェイバーに引かれた男はその場に倒れ込む。
「オイオイ」
『カッコいい登場ねナミ』
「いや、事故だろコレは」
「ハッ‼︎ しまった‼︎ 理不尽な多額請求につい…‼︎」
我に返ったナミがウェイバーをパガヤに返しながら急いでココを立ち去ろうと言うが、引かれた隊長は起き上がると鼻血を出しながらも宣言する。
「…逃げ場などすでにありはしない‼︎ 我々に対する数々の暴言、それに今のは完全な公務執行妨害”第5級”犯罪に値している…‼︎」
「”ゴッド・エネル”の御名においてお前達を”雲流し”に処す‼︎」
雲流しという聞き慣れない単語に眉を寄せていればコニスが教えてくれた。雲流しとは逃げ場の無い大きさの島雲に船ごと乗せられ骨になるまで空をさ迷い続ける刑らしい。
何とも恐ろしい刑にウソップとチョッパーが怯える中、ロビンはひとり納得した。何も無い空からガレオン船が降ってきたのはこれが原因だったのかと。
「引っ捕らえろ‼︎」
隊長のその声に兵士達は弓を引き始める、それを見たルフィ、ゾロ、サンジ、ユナの四人が戦闘体勢に入った。
「構え…撃てェ‼︎」
「”ミルキーアロー(雲の矢)”」
「⁉︎」
「何だアレ」
兵隊が撃った矢は雲のようにもくもくと伸び、まるで道のように出来たその雲をジェットブーツを履いた兵が猛スピードで縦横無尽に近付いてくる。