第16章 神の国
ルフィの動機はともかく二人の剣幕に押されたユナは渋々行く事を諦めた…結局みんなで向かう事になり一味は出航準備に取り掛かる。
浜まで見送りに来てくれたコニス達にお礼を言いこれからメリー号に乗り込もうとしたところで不意に声が聞こえてきた。
「そこの不審な船待て‼︎」
「誰だ? あいつら」
聞き慣れない声に振り向けば白いベレー帽を被り、白を基調とした軍服を着た人達が匍匐前進しながらジリジリとルフィ達に近付いてきた。
「全隊、止まれ〜〜‼︎」
「何で匍匐前進してんだあいつら」
「わからねェ…多分あいつら変態だ‼︎」
「へ──あれが変態か」
先に船に乗っていたウソップとチョッパーに変態だと言われてる事など知る由もなく、匍匐前進の先頭にいた一人の男が立ち上がるとビシッと指をさして口を開いた。
「あなた達ですね⁉︎ ”青海”からやって来られた”不法入国者8名”というのは‼︎」
兵隊の隊長らしき男のまさかの言葉にコニスとパガヤは驚き、ルフィ達は何の事か分からず首を傾げる。
『…確かに入国料は払って無いものね』
「さっきのバァさんか…! でも通っていいって言ってたぞ」
確かに通って良いとは言っていたが払うのが法律とも言っていた、郷に入っては郷に従え…やり方はどうあれそれを払わなかったのだから犯罪者になっても仕方はないだろう。
だが”不法入国”は”天の裁き”における”第11級”犯罪でしかないらしく、罰を受ければその場で安全な観光者になれるらしい。男がそう説明すれば船から降りてきたサンジがその罰が何なのかを聞く。
「簡単な事です、1人100億エクストル──つまり7人で700億エクストルこの場でお支払い下さればあなた方の罪は帳消しにさせて頂きます‼︎」
「な…700億エクストル⁉︎ ……だからそのエクストルってのはベリーで言うといくらなんだ」
今までずっと疑問に思っていた事をウソップが口に出せば男は”1万エクストル”で”1ベリー”だと教えてくれた。