第16章 神の国
ウェイバーに乗れるようになるには10年は掛かるらしく初心者では先ず乗れないらしい、パガヤがそう説明する中試しにウェイバーに乗ったナミはスイスイと乗りこなす。
「これサイコーね!」
『わァナミ凄いね』
「何でナミのやつ乗れンだ⁉︎ 難しいんだぞあれ‼︎」
「ナミさんキミがサイコーだァァ!」
既に乗りこなしているナミにコニスもパガヤも驚きを隠せない。
”ウェイバー”の船体は動力を充分に活かす為とても軽く作られているらしく、小さな波にさえ舵を取られてしまうそうだ。波を予測できるくらい海を知っていなければそう簡単には乗れないのだとか。
流石は航海士と言った所か…だが並大抵の航海士ではあそこまで乗りこなすのはまず無理だろう、ナミの凄さに驚かされながらもウェイバーの動力は何かをウソップが尋ねる。
「あらみなさん”ダイアル”をご存知ないんですか?」
「”ダイアル”?」
コニスの言葉に一味は首を傾げる。”ダイアル”とは空島と共にある文化らしく、それが無いと空島では生活出来ないほどなのだとか。
話が長くなりそうなのでここでは何だからとパガヤとコニスは家に招待してくれた。ナミはまだウェイバーに乗りたいらしく後から行くと言い残してそのまま走り去ってしまった。
家に着くと先ずコニスが見せてくれたのは巻貝だった。
「何だコレ?」
「これは”ブレスダイアル(風貝)”、例えば30分風に当てておけば30分自在に風を排出出来るんです」
コニスの説明を受けてルフィがブレスダイアルを持ってグルグル腕を回す、暫くして巻貝の殻頂を押せば風がビュワーと吹き出してきた。
「おォ! すっげェなコレ‼︎」
「ユナの仲間が話してたダイアルってコレのことだったんだな」
『うん、そうみたい』
初めて見るダイアルに一味は興味津々だ、他にも音を録音、再生する”トーンダイアル(音貝)”や”ランプダイアル(灯貝)”、炎や匂いも溜めれるダイアルがあるそうだ。
海底で見つけたウェイバーもどうにかして使えないかとウソップが零せば貝船のエンジニアでもあるパガヤが見てくれると申し出てくれた。これは願ってもない事だ、ルフィ達は宜しくとお願いする事にした。