第16章 神の国
コニスの父親はパガヤと言うらしく、丁度漁から帰って来たところで、良ければとルフィ達に空の幸をご馳走すると言ってくれた。
それを聞いて喜ぶルフィ達にナミが待ったをかけた、どうやらパガヤが乗っていた乗り物が気になるらしい。風を受ける帆も無ければ舵もない、ついてるのはハンドルだけでどういう原理で動いてるのか謎だった。
「それは”ウェイバー”ですすいません」
「”ウェイバー”……ルフィあんたこれと似たようなの海底から持ってこなかった?」
「あァ持ってきたぞ」
空島に来る前に空から降って来た船の残骸の中に”ウェイバー”と似た物があった事をナミは思い出した。ボロボロだから使えないだろうが何とか他の”ウェイバー”は持って帰れないかと考える。
「ねェコレ乗ってみてもいいかしら?」
「えぇもちろん」
パガヤの許可を得てウェイバーにナミが乗ろうとすれば、おれが先に乗るとルフィがウェイバーに乗って雲海へと飛び出した。
初めは順調に思えたがすぐに波に舵を取られて蛇行しだす…そして──。
『あ…』
「こけた」
「この上ない大転倒だな」
ウェイバーから落ちて雲海に沈んで行くルフィを静観しながらサンジがポツリと呟く。
「──そういや能力者に”この海”はどうなんだろうな……」
「そうか普通の海とは違うからなァもしかして浮くかもしれねェ」
サンジとウソップの会話に一味はジッとルフィが落ちた海を眺める。能力者でももしかしたらこの海ならと期待するが期待は虚しくルフィは浮いてくることは無かった。
『っルフィ! …良かったァ無事で……』
「危ねェな‼︎ 下へ突き抜ける寸前だったじゃねェか‼︎」
「おめェがアホな事言ってるから出遅れたんだろう‼︎」
「いえ私が初心者にアレをお貸ししてすいません‼︎」
「何でおめェまで飛び込むんだよ‼︎」
間一髪でルフィを引き上げたサンジとゾロは言い争い、何故か一緒に飛び込んだチョッパーはウソップに引き上げられていた。実はユナも飛び込もうとしたがロビンに止められ溺れる事は免れた。