第15章 天国への道のり
「…何と‼︎あの”バケモノ海流”に乗ってここへ⁉︎……まだそんな度胸の持主がおったか…」
「やっぱり……普通のルートじゃないんだ……」
空の騎士の言葉にナミがおよよよと涙する、もっと情報を集めていれば楽に来れたのにとナミがルフィに噛み付いていると、他のルートではクルー全員で来るのは不可能だと空の騎士が付け加えた。
100人で目指してもその内の数人しか空島へは辿り着けないらしく、唯一全員で辿り着ける方法はノックアップストリームのみ。だがノックアップストリームも全員生きるか死ぬかの博打で、近年ではその博打をする者達はそうはいないらしい。
「度胸と実力をそなえる中々の航海者達と見受けた」
空の騎士はそう言うと1ホイッスルサービスすると言って笛を差し出した。本来なら空の通貨500万エクストルするが一回だけタダで笛を吹いた時助けてくれるとの事だった。
「その笛でいつでも我輩を呼ぶがよい‼︎」
「待って‼︎名前もまだ…」
体を翻し去ろうとする空の騎士にナミが呼び止める。
「我が名は”空の騎士”ガン・フォール‼︎、そして相棒ピエール‼︎」
「ピエ〜〜‼︎」
「言い忘れていたが我が相棒ピエール、”鳥”にして”ウマウマの実”の能力者‼︎」
ガン・フォールの言葉に隣にいたピエールと呼ばれた水玉模様の大きな鳥がどんどん姿を変えていく──。
鳥の鉤爪は馬の蹄に変わり、鳥の翼はそのままに体は馬に変わる…誰もがペガサスになると期待した──が、現れたのは水玉模様のままの馬とも鳥ともとれる顔をしたペガサスにしては微妙な姿だった。
そしてガン・フォールは微妙なペガサスに乗ってそのまま飛び去ってしまった…結局肝心な事は何一つ聞けないまま一味は真っ白な海に取り残されてしまったのだった。