第15章 天国への道のり
「あそこだ!」
「なっ、雲の上を走ってるぞ⁉︎」
ゾロが指差せばその先には確かにこちらに猛スピードで近付いてくる人物が一人確認出来た。どういう原理かは分からないがその人物は雲の上を走っている、おかしな仮面を身につけ明らかに敵意を剥き出しに現れた男にルフィ、ゾロ、サンジが臨戦態勢に入る。
「排除する…」
「やる気らしい…」
「上等だ」
「何だ何だ?」
一瞬だった…、三人が仮面男に一斉に立ち向かったが目にも留まらぬ速さで三人が次々と倒されてしまった。
三人を倒すと仮面男は上空へと飛び上がり、手にしていたバズーカらしき物を構える。
『…‼︎』
「な、ウソあの三人が⁉︎」
「ウソだろォ!!?」
「ルフィ!ゾロ!サンジ!」
目の前の状況に信じられないとたじろぐナミ達に反してユナは仮面男に風の刃を放った。が、紙一重で躱されてしまう…それを見てユナは舌打ちすると再び風の刃を数発放つ。
「小賢しい」
そう呟くと仮面男は事も無げにユナの攻撃を躱す。
『よそ見は禁物よ』
「──っ⁉︎」
ユナの攻撃を躱した仮面男は背後から聞こえた声に即座に振り向く、そこにいたのは先程まで船の上に居たはずの栗色の髪の少女だった。いつの間に背後に回られたのか…仮面男の目には焦りの色が見られた。
「いけー!ユナー!」
「そんなヤツやっちゃいなさい‼︎」
「ユナがんばれ!」
仲間の声援を受けながらユナは仮面男の頭めがけて蹴りを食らわした。誰もが決まったと思った…だが、ユナの蹴りは間一髪で仮面男の手によって防がれ、そのまま足を掴まれてしまう。
ヤバイ──と思った時にはもう遅い、掴まれた足を軸にユナはそのままメリー号へと投げ飛ばされてしまった。
『っ…!』
「ユナ‼︎」
自分を呼ぶ仲間の声を聞きながらユナは来るであろう衝撃に身構える、瞬時にバキバキッと板を突き破る音と共にユナの身体はメリー号の船内へと消えていった。