• テキストサイズ

巡り逢わせ【ONE PIECE】

第2章 別れは突然に


『エースずるい!私には無いとか言ってくれなかったのにー!やっぱりあるじゃない‼︎』

先程の暗い顔とは打って変わって頬を膨らませ怒った顔をしたユナを見て、エースは内心ホッとした。いくら約束とは言えあんな顔をさせたくは無かった、二年程しか一緒に居てないがエースはユナの事を本当の妹の様に思っているのだ。

子ども扱いされるのがキライなユナは妹と言うと怒るだろうが。

「あ、悪りィ…今ので最後だ」
『な…っ、ウソ!絶対にウソ!ホントはどっかに隠し持ってるんでしょ⁉︎』
「ねェよ!ホントに今ので最後だ‼︎」

ぎゃあぎゃあと目の前で繰り広げられる言い合いに麦わらの一味は呆気に取られている、そんな中ルフィは一人腹を抱えてあっはっはっと笑っていた。

『──もう!エースのイジワル!』
「〜〜だ〜か〜ら!ねェもんはしょうがねェだろ!」

──ホントはまだ持っているがどうしてもユナには渡すわけにはいかなかった、今エースが追っている人物は危険人物だ、考えたくは無いが最悪の場合ユナの性格を考えると自分の命を顧みず危険に身を晒すだろう。

妹同然に可愛がってるユナをみすみすそんな危険に晒す訳にはいかない、エースはそんな思いからユナに自分の”ビブルカード”を渡さないのだ。

「──たくっ、ホラよ」
『…わわ⁉︎』

ポスっと頭に何か被せられ視界が一瞬オレンジに染まる、何だろうと手に取ってみるとそれはエースがいつも身に付けていたオレンジ色のテンガロンハットだった、帽子には”笑”と”悲”の表情をした飾りが付いておりアゴ紐の先には牛の頭蓋骨をイメージした装飾品が付いている。

『…エース…これって…』
「代わりと言っちゃァなんだがそれをお前に預ける、野暮用が終わったら必ず迎えにくっからそん時必ず返せよ」

ニカッといつもの笑顔で言うエースにユナは帽子を抱き締めて目一杯頷いた、それを見たエースは満足気に笑い再びユナの頭をポンポンと撫でた。


/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp