第2章 別れは突然に
「…よし、じゃァそろそろ行くとするか」
「ええ⁉︎、…もう行くのかエース⁉︎、せっかく会えたんだゆっくり話そうぜ⁉︎」
もの凄く残念そうに言うルフィを尻目にエースは手摺りに足掛けるとルフィ達に向き直った。
「──できの悪い弟を持つと……兄貴は心配なんだ」
「おめェらもコイツにゃ手ェ焼くだろうが、よろしく頼むよ……」
その物言いでエースがどれだけルフィを大切に思ってるかが分かる、麦わらの一味は各々頷いた。
「あー、あとユナは意地っ張りなくせに結構寂しがり屋だから気にかけてやってくれ」
『な──っ⁉︎、なんてこと言うのよエース‼︎』
いきなり落とされた爆弾発言に顔を赤くしてユナはエースに詰め寄るが、あと一歩のところでひらりとエースはストライカーに飛び降りた。
『ちょっとエース!、戻って来なさいよー!』
「──ルフィ‼︎、次会う時は海賊の高みだ‼︎」
「…‼︎、あぁ‼︎」
『違うでしょ⁉︎その前に必ず迎えに来てよね‼︎』
余りにも早いド忘れに思わず突っ込むとはっはっはっとエースは笑いそのまま走り去って行く。
「エーースーー‼︎、まっっったなァーー‼︎」
『エースー!、待ってるからねー‼︎』
二人の声を背に受けてエースは片手を挙げるとあっという間に遠くへと行ってしまう、その姿が見えなくなるまでユナは海の向こうをずっと見つめていた、エースから預かった帽子を胸に抱きながら必ず迎えに来てくれる日を信じて…。