第14章 衝突
『ふざけないで…!、エドの船を降りたのはエースと一緒にアンタを探す為よ‼︎──アネモスダンカーナ(風の鉤爪)!』
怒りに任せて叫ぶとユナはティーチに向けて風の刃を飛ばす──。
「うおっ⁉︎……あぶねェあぶねェ」
「フォフォフォ…あと一歩で死ぬとこでしたね…船長…アンタ運が良い…」
「能力者か…しかも飛び道具…、船長私が相手をしても宜しいか。あの者には少々興味が有りましてね」
間一髪で風の刃を避けたティーチに背の高い老翁と身の丈ほどの銃を片手に持った男が口を開く。
「待て待ておめェら、目的はあいつじゃねェ”麦わらの首”だ」
『──‼︎』
ティーチが仲間に言った言葉にユナは耳を疑った、狙いは”ルフィの首”だと──、サッチだけではなくルフィまでも手にかけようと言うのか…。
──そう考えた瞬間ユナの中で燻っていた何かが弾けた。
殺してやる──‼︎
ユナの意思に呼応するかの様に風が渦巻きメリー号へと集結しだす。
「…なに…風がおかしいわ…」
今尚夜が空を支配する中、ナミが異様な風を感じ取り辺りを見渡す、メリー号に集まる風もそうだが海の様子もおかしい…海底からポコポコと気泡が上がってきているのだ。
「オイおめェら‼︎余所見するな‼︎、来るぞ”ノックアップストリーム”が…‼︎」
ショウジョウの焦った声に状況を理解したナミがユナに呼び掛ける。
「ユナ!もう直ぐノックアップストリームが来るわ、そこにいたら危ないから船の中に戻って!みんなも船内に入るか何かに捕まって‼︎」
ナミの指示にみんなが慌ただしく動く中、ユナだけはその場から動こうとしない。
「ユナ聞いてる⁉︎早く船の中に戻って‼︎」
ナミの切羽詰まった声にユナは振り向かずに応える。
『……悪いけど私はここに残るわ』
やっと口を開いたかと思えばまさかの言葉に耳を疑う、それはナミだけではなく一味全員も同じでそれぞれが動きを止めユナを見つめた。