第14章 衝突
懸賞金が上がった事に喜ぶルフィとゾロ。それを見たサンジが「オレのも無いか⁉︎」とウソップに詰め寄るが残念ながら二人以外の手配書は見当たらず、自分の手配書が無いと分かるとサンジはその場に膝をついて落ち込んだ。
どうやらアラバスタの一件で懸賞金が跳ね上がったらしい、七武海の一人を倒したのだ…上がって当然と言えば当然だろう。
一味がそれぞれ反応をする中、ユナだけがその場から微動だにしない事に気付いたチョッパーがユナの顔を覗き込む。
「…ユナ大丈夫か?」
ユナのただならぬ雰囲気にチョッパーが声を掛けるが返事は無い、ユナは無言のまま舞い上がるとメリー号の手摺りへと着地した。
突然前に現れたユナに一味の視線が集まる。背中を向けて立つユナの表情は分からないが、いつもと違う雰囲気を他の仲間も感じ取り声を掛けるが返事が返って来る事は無い。
そんな中ユナに気付いた謎の男が声を上げた。
「ん?あれは…ユナじゃねェか、久しぶりだな‼︎…白ひげの船は降りたのかァ?」
『久しぶり…?、よくもぬけぬけと言えたものね…あんな事をしといて…、まさか忘れた訳じゃないでしょうティーチ』
どうやら謎の男、基ティーチとユナは顔見知りの様だった…だが決して良い関係とは言い難い雰囲気なのはユナの態度で分かる。やっと口を開いたかと思えば、どこまでも冷たく言い放つユナに、直接言われていないはずのウソップは背筋が凍った…ナミとチョッパーも恐怖を感じる。
「なんだよまだ気にしてンのか?アレは事故だったんだよ仕方ねェだろ?」
『…事故?…あれが、事故だって…言うの…⁉︎』
次第に怒気を含むユナの声音に話が見えない仲間達はただ黙って事の成り行きを見守るしかない。
「あァそうだ。……それより白ひげの船を降りたンならどうだァ?オレ達の仲間にならねェか?おめェの実力なら申し分ねェ!」
「なっ⁉︎」
「…⁉︎」
「ふざけやがってあのやろォ…」
「………」
まさかの勧誘に黙っていた一味はそれぞれティーチを睨み声を上げる、それに反していつもなら一番に声を荒げる筈のルフィはユナの背中をジッと見つめたまま黙っていた。