第14章 衝突
「な、なにバカな事言ってんのよ⁉︎そんなの無理に──」
『ルフィ、みんな…少しの間だったけど楽しかった…ありがとう』
決して此方には振り向く事なくユナはそれだけ言うと、オレンジ色の帽子を靡かせながら空へと舞い上がる…誰もが驚きに戸惑う中、ルフィだけは自身の腕をユナへと伸ばした。
『っ⁉︎、離してルフィ‼︎』
腰に巻き付くルフィの腕を取り払おうと力を込めるが如何せんルフィの力が強くそれは叶わない。そうこうしている間にノックアップストリームはやって来た…メリー号を空へと押し上げ始める。
『──‼︎、ルフィいい加減に…!』
「ふざけるな‼︎そんな勝手オレが許さねェ‼︎」
『…‼︎』
ルフィの怒号に一瞬怯んだユナの隙を突いてルフィは自分の腕を戻す、虚を衝かれたユナは成す術なくルフィの元まで引っ張られた。
「よォし、やろォども〜!空島へ向けて出発だァーー‼︎」
『ちょっとルフィ!やだ離して‼︎』
ルフィの脇に抱えられたユナがジタバタ喚くがルフィは聞く耳持たない、その上腕はビクともしないので抜け出そうにも抜け出せなかった。
ユナの叫びも虚しくメリー号はどんどん空へと登って行き、やがて雲の中へと姿を消して行ったのだった──。