第14章 衝突
現在時刻は午前7時、ノックアップストリームが発生する現場付近に到達するのがおそらく午前11時頃らしい。ノックアップストリームの立ち上がる位置は毎回違うらしく、それ以前に到着して位置を正しく”サーチ(探索)”しておく必要があるそうだ。
これからの事をショウジョウが説明をしてくれているがルフィはサウスバードに夢中で、全く聞く耳を持っていない。サウスバードの頭の向きをルフィが変えれば南を向く習性があるサウスバードは直ぐさま首を南に戻してしまう、それが面白くてルフィは難度も頭の向きを変えていた。
「変わった鳥もいるもんだな〜」
『ホント、すぐ寝違いしそう』
「……前から思ってたんだが、ユナおめェ感想がいつも変だぞ」
『そう?』
「ああ」
『でもウソップ、寝てる時寝返り打っても頭だけ南向いてるのよ?それって凄く首痛くない?』
「む、確かに…」
ユナに指摘したウソップだったが、理由を聞いて確かに一理あるなと納得しかけたところで二人の会話を聞いていたナミが声を上げた。
「ハァ…あんた達バカね、そもそも鳥は横になって寝ないでしょ」
ナミに言われ「あ」と二人の声が揃う、盲点だったと落ち込むウソップにドンマイとユナが声を掛ければウソップは微妙な顔をした。
そんな他愛も無い会話をしながら数時間後──。
「ボス‼︎マズいっす‼︎南西より”夜”が来てます‼︎」
目的地付近に差し掛かったところでマシラの仲間の一人が声を上げた、それを合図に一気にマシラ達は慌ただしくなる。更にそれとほぼ同時に先程まで穏やかだった海は一瞬の内に荒海へと変わり辺り一面は夜の様に暗くなった。
「うわ⁉︎」
『え、もう夜?』
「何だ‼︎」
「波が急に高くなった‼︎」
「うわあ〜〜沈んじまうぞ‼︎」
「不吉な事言わないでウソップ‼︎」
海に振り落とされないように皆んながメリー号にしがみ付く中、マシラとショウジョウが一際大きな声で叫ぶ。
「爆発の前震だ‼︎気をつけろ‼︎」
「おめェら流れに乗れ‼︎逆らわずに中心まで行きゃなる様になる‼︎」
その言葉にナミが耳を疑った。いつの間にか目の前には巨大な大渦が出来ており、マシラ達はこの大渦に入れと言っているのだ。