第14章 衝突
「風使いさん可愛いし、別にいいと思うのだけれど?」
『…嫌よ、子ども扱いするって事はその人より見下されてるって事でしょ?私は嫌よ』
なにも全ての人がそうとは限らないのは分かってはいるが、嫌なものは嫌なのだ…そもそも自分は子供扱いされる様な年齢でも無い。
『もし言っても子ども扱いするヤツがいたら地の果てまで追い掛けて二度と聞けない口にしてやるわ』
目が据わりドスの効いた声で言うユナに話を聞いていたウソップとチョッパーは全身が恐怖で震え上がった。
「そう…聞けてよかったわ、話を逸らしちゃったわねゴメンなさい。どうぞ続けて長鼻くん」
『あ、そうだった、ウソップそれで?』
「へ、あ、いや〜……」
急に話を振られたウソップは言葉に詰まる、今の話を聞いてユナが酔うと子供返りするなんて言おうもんなら命があるか分からない…どうしてユナが今まで自分が酔う事を知らなかったのか分かった気がした。
『ウソップ…?』
「あ、えーと…ほらあれだゾロと飲んだ後酔って寝ちまったんだよおめェ」
『そうなの?でもロビンがみんなで森に入ったって…』
「そ、それは……あ、そうだったそうだった!確かに森に入ったが何せユナは酔ってたからな〜、入ってすぐに寝ちまったんだよ覚えてないのも無理ないさ、な、チョッパー!」
「お、おう!そうだ無理もないさ!」
うんうんと腕組みして言うウソップに何処かよそよそしいチョッパー、ロビンに至ってはクスクスと笑っていた。そんな三人の様子にユナは微かに眉を寄せる、まだ何か隠しているんじゃないかと疑いの眼差しを向けるが、ウソップはそれ以上話そうとはせずそんな事よりと話を切り替えた。
「もう出発だってのにルフィのやつまだ帰って来ねェんだよな…」
『……確か敵討ちに行ったんだったわよね』
ユナの問いにウソップが頷く。クリケットの金塊を取り返しにルフィはベラミーの元へ向かった、制限時間は今日の朝まで…それを過ぎると空島へと行くチャンスが無くなるのだとか。