第13章 空島へ行くには
「ユナ、おれと一緒に帰ろう?」
チョッパーがユナに手を差し出す、その様子を見たユナはぷいとそっぽを向いた。
『やだ、かえんない』
まさかの返答にチョッパーは目を丸くする、ナミとウソップが何とか説得させようと言い募るが逆効果、ユナは駄々をこねる子供のように嫌の一点張りだ。
「あ〜も〜ォ!ワガママ言わないの‼︎」
埒が明かない現状に遂に痺れを切らしたナミがユナに怒鳴る、怒鳴られたユナは一瞬ビクッと身を震わすと隣にいたルフィにしがみ付く。またしても羨ましいと言うサンジの声が聞こえた。
『やだぁ…るふぃおいてかないで…』
「いいじゃねェかナミ、ユナも嫌がってんだし連れてこうぜ」
「くっ…、あんたは黙っててルフィ」
涙目で訴えられればナミの良心が抉られる、これじゃまるでこっちが悪者みたいだ。
「…ねぇ航海士さん、嫌がってる子を態々帰さなくてもいいんじゃないかしら?」
「そうだな…もう言い争ってる時間も惜しいしな」
ロビンの提案にウソップが乗っかる、さっきまで自分と一緒にユナを説得していたのにとんだ手のひら返しにナミは呆れながらも、確かに時間が惜しいのは事実。ここは仕方無くユナも連れてサウスバードの捕獲へ向かうか…そう結論付けるとナミは再びユナに向き直る。
「分かった、もう帰れなんて言わないわ…それよりユナ、能力は使えるの?」
本来の目的の為にはユナの能力が手っ取り早い、例え酔っていても使えるのならそれに越した事はない。そう考えてユナを見れば、帰らなくていいとお許しを貰えた事にユナの顔がパァっと明るくなる。
『まかせて!さうすばぁどさがすんでしょ!』
そう言うとユナはルフィから離れて両手を広げた。みんなが見守る中、瞳を閉じて意識を集中すると風を伝って情報を読み取る…森の中を翔け巡る様な映像がユナの脳裏に流れた。だが直ぐに違和感が生じる、いつもなら何ともない事なのに何故だか今回はその映像について行けず目が回る。